校務の業務改善マネジメントセミナー

主 催:独立行政法人教職員支援機構・富山県教育委員会

共 催:文部科学省

テーマ:特色ある業務改善の取組・業務改善の実現について

日 時:平成30年9月25日(火)~26日(水) パレブラン高志会館

参 加:全国の小、中、高、特別支援学校の教職員、管理職、事務職員、各県教育委員会 約130名

講 師:トークセッション・パネラー 澤田真由美 / トークセッション・モデレーター 福井正樹

サポート:木村知佐子、加藤博美、高野真規

1日目

1・教員の働き方改革~それぞれの取組

 

<内容>

先進事例紹介
本当の働き方改革とはなにかを理解
自分の言葉で具体化し、対話を通して説明

 

働き方見直しの目的 = 教育の質を上げること

子どものための取り組みである

『元気な学校の3原則』とは

  1. 目指す方向と教員のベクトルがそろっている
  2. 仕事へのやりがいを感じている
  3. 仕事も私生活もトータルで人生が満たされている

 

本気で改革し、教育の質の向上を目指す!

  • 「校長は常に目的を教職員と共有すること」
  • 「教育委員会は学校をバックアップすること」

1・事例発表者とのトークセッション

ファシリテーター:福井正樹

パネラー:富山市立奥田中学校 校長

パネラー:石川県教育委員会

パネラー:澤田真由美

 

<テーマ>

講演会と事例発表を聞いて、会場からの質問に答える形で進行

・部活動の外部有識者活用について

・長時間勤務の教員との面談方法について

・私学への部活動対応、私学における部活動の位置づけ

・教育委員会自体の働き方改革

・会議の改善について

・ベクトルを合わせる、対話の時間を持つ

・学校の働き方見直しチェックリスト

・小学校の働き方見直しについて

・教育の質の評価方法とは

 

<内容一部抜粋>

長時間勤務の教員との面談方法について

澤田:教員との面談時にはヒアリングに力を入れてほしい、アドバイスする前に相手の話の中から「思い」や「課題」を聞き出すことが重要。校長先生からの正論で本音を言いにくくしないでほしい。

福井:コミュニケーションをとったつもりの上司。部下は、上司が話しているだけだから

コミュニケーションをとっているという満足度は低い。個人面談は有効。

部活動の位置づけについて

澤田:部活について学習指導要領に立ち返りたい。本来業務は何か。部活動は勝つことを目的にするのではなくプロセスが大事。「持続可能な」がキーワード。

学校全体で持続可能になるのか?疲れる前にしっかり休むことが大事。

福井:部活動の線引きは難しい。曖昧。善意、熱意。


練習時間の長短ではなく、自分たちで考えさせる部活動が大事。部活動に熱が入りすぎて授業の評判が悪い先生は、本来業務に立ち返る必要がある。

教育の質の評価方法とは 

澤田:コンサルティングをした某教育委員会の方に「働き方改革は人材育成なのですね」という感想を言われた。その教育委員会では会議のあり方を見直した。また、本来の教育委員会の仕事は何かということに立ち返ることが大事。決済業務ばかりやってしまっているのでは?

残っている先生に「遅くまでありがとう」という評価はしない。

教育の質の評価の一例として、不登校の数、他の教員を育てること、子どもの幸福感など。その学校に合わせた評価の仕方を考えてみてほしい。

2日目

講義とワーク:業務改善の実現について

<知る>

・心理的安全性の理解

 どんな場が必要か

 かかわり方は

・事例紹介

 働き方見直しチェックリスト紹介

 実際の先進取り組み事例紹介

(学校・教育委員会)

 

<グループワーク> 

「考える・決める」

「自分の学校で改善が必要な働き方について」

・要因の洗い出し

・最重要要因を言語化する

・未来を描く

・障壁(不安)を考え、お互いアドバイス

・解決策具体化 未来のために方策を考えましょう

・実行宣言 

主催の独立行政法人教職員支援機構担当者感想

参加者からのアンケートを見ますと、

「校内における働き方改革推進に向けての勇気をもらえた」

「働き方改革の目的がわかりやすく整理されて、するべきことを提示していただいてよかった」

「具体的な事例の提示、グループでの協議等、本当に役立つことばかりだった。楽しみながら学校全体でこどものためと思いながら、早速取り組みます」

などの感想がありました。

 

事前課題も含め、「何のための業務改善か」が明確になったことで、今後、各所属での意識改革、実践が進むのではないかと感じました。

サポートスタッフ所感

・今回はかなりハードな宿題もあり先生方は答えがでるのでは?と期待して出席されていたような感じがありました。「子どものため」「教育の質を上げる」というキーワードに、うなずきながらグループで話合い、課題に頭を抱え考える参加者のやる気や意気込みを感じました。

最後の実行宣言を是非遂行し、校務の業務改善マネジメント、働き方改革が進んだ!っと結果を聞けることを楽しみにしています。(加藤)

 

・全国の小・中・高・特別支援学校の教職員や県教育委員会の職員が、学校における働き方改革について共通認識を持ちながら一同に意見交換できたことは、とても意義深いと思いました。研修終了後も絶えず講師に質問される参加者が多く、意識の高さがうかがえました。

すぐに効果が見えないところが業務改善の難しいところですが、悩んだときには本来の目的に立ち戻り、未来のために各現場で少しずつ継続的に取組みを進めていただきたいと思います。(高野)

 

・学校の働き方改革は学校現場と教育委員会の両輪で進めていくことが重要です。一方的に相手に求めるのではなく、双方の立場からの意見交換ができる今講演のような機会を増やすことが働き方を進める一番の近道であると感じます。

そして、地域や保護者も巻き込みながら「子どもたちと先生が輝く学校」がますます増えるように、今後の取り組みに期待しております。(木村)

上左から 高野・福井・木村  下左から 加藤・澤田
上左から 高野・福井・木村  下左から 加藤・澤田