行政のワーク・ライフ・バランス
平成29年度 四條畷市 働き方改革指導者養成研修事業 実施報告
WLBC関西では、平成29年度 四條畷市 働き方改革指導者養成研修事業を受託させていただき、平成30年から自走するための推進リーダー養成を行ってきました。その内容をご報告させていただきます。また、この内容について、2018年6月1日、神戸にて自治体フォーラムを開催予定で、四條畷市の東市長にもご登壇いただく予定です!
詳細が決まり次第、サイトでご案内させていただきますので、ご予定ください!
四条畷市 働き方推進リーダー養成事業 支援内容

全管理職対象 働き方改革キックオフ 2017年9月19日
全管理職対象
働き方改革の本当の意味
「働き方改革を実際に進めるために必要なこと」
というタイトルで全管理職向けに働き方改革スタートのキックオフセミナーをおこないました。
プログラム
- 東市長よりトップメッセージ
- WLBC関西福井より講演
・働き方改革のキーパーソン「イクボス」= その定義と考え方
・働き方改革ってなに? = 実際どうやったら改革できるのだろう
・イクボスになって働き方改革を = 自分の人生と仕事、部下の人生と仕事
基本研修
1回目:2017年9月26日
基礎研修の目的
働き方改革指導者として働き方改革の必要性を完全に理解することやリーダーとしてチームをまとめミッションを推進する方法を学ぶ。
内容:働き方改革を職場全体に!
1部 講義:働き方改革とは何か / 指導者としてなすべきことは何か
2部 ワークショップ:働き方改革への課題解決 / 働き方改革シート
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 高橋 佳子
2回目 2017年10月6日
基礎研修の目的
働き方改革指導者として働き方改革の必要性を完全に理解することやリーダーとしてチームをまとめミッションを推進する方法を学ぶ
内容:業務効率化のための基本的考え方と演習
1部 講義:業務効率化とは何か
2部 ワークショップ : 業務効率化改善シートをワークで作ってみよう
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 木村 知佐子 / 澤田 真由美
3回目:2017年10月25日
基礎研修の目的
働き方改革指導者として働き方改革の必要性を完全に理解することやリーダーとしてチームをまとめミッションを推進する方法を学ぶ。
内容:リーダーとしての自覚再確認!
1部 講義:「働き方改革とは何か」「指導者としてなすべきことは何か」を再確認
2部 ワークショップ :課題解決のために自分がコミットするべき「ヒト」「コト」は何か
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 高橋 紀子 / 木村 知佐子 / 澤田 真由美
実例研修
1回目:業務の見える化
日時:平成29年10月30日(月)10時~12時 会場:委員会室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 高橋 紀子
チームは今日どんな仕事を、どのくらいの量するのか
- チームの仕事量・・・メンバーそれぞれの仕事量の総量
- メンバーそれぞれの仕事量・・・「自分しか知らない」のが最も危険
- チーム内でそれぞれの仕事量(内容)を共有することが必須
- リーダー(課長)は全体を把握し必要に応じて修正指示を・・・
- 残業についても同じ
2回目:タイムマネジメント
日時:平成29年10月30日(月)13時~15時 会場:201会議室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 高橋 紀子
仕事の標準化を考える
- 業務の効率化を行う際に「仕事(作業)」に標準が必要(手順・時間・結果)
- 個々人の能力の差を埋めるためにも、能力アップを具体的に求めるためにも必要
- 「仕事(作業)」の標準化がなされそれが可視化されて共有されることが必要
- 全ての「仕事(作業)」を標準化することはすぐには無理だが、重要な仕事・標準化しやすい仕事からやってみよう
- 残業についても同じ
3回目 業務スクラップ
日時:平成29年11月6日(月)10時~12時 会場:201会議室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 西本 恭子
必要な仕事と、不要な仕事を考える
- 仕事の目的(目標)が不確かだと必要か不要かが曖昧になる
- 目的から遡る仕事の検証
- 不要な仕事をやめるためには何が必要
- 書類の作成を効率よく行う方法
- 書類作成の目的を常に明確にする
- 書式の無い書類であればできる限り統一のフォーマットを作成し使う
- 書類作成のための書類作成はやめる
- 目的を達成するために最小限の項目・事柄を記入する
- 必要のない項目を「スクラップ」する 組織でそれらを考え・共有し・行う
4回目 会議の短縮化・廃止
日時:平成29年11月10日(金)10時~12時 会場:201会議室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 木村 知佐子
必要な会議・いらない会議
- 会議は何のためにするか・・・?
- 説明・報告・顔合わせのために会議は必要か・・・?
- 会議の目的は・・・明確になっているか?
- 会議資料はいつ作るか、いつ配るか・・・?
- 議事録はどう作るか・・・?
5回目 マニュアル作り
日時:平成29年11月20日(月)10時~12時 会場:委員会室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 西本 恭子
マニュアルの作り方
- 目的を明確にする
- 業務に関わる全ての人との合意のもとに作る
- マニュアル作成チーム会議を・・・
- 作成したマニュアルは「トライアル」を行ってから実施すること
- マニュアルは組織(課)の中で共有する
6回目 業務の適正な割り振り、基準や育成を考える
日時:平成29年11月30日(木)10時~12時 会場:委員会室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 木村 知佐子 / 澤田 真由美
業務を部下に適正に割り振るために必要なこと
- 部下それぞれが現在持っている業務(タスク)をしっかり把握する
- 部下それぞれのモチベーション・能力・スキルを把握する
- チーム内で割り振りについて話し合う(管理職として腹案を持って)
- 割り振ったのちの業務のチェック体制についても話し合う
(いつ、どの部分を、どう、 チェックするかを明確に)
7回目 これまでのまとめと整理
日時:平成29年11月30日(木)13時~15時 会場:委員会室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 木村 知佐子 / 澤田 真由美
研修を受講してのマインドの変化や現在のマインド
- 本研修を受講する前の「自分」の働き方改革に対するマインドはどうだっただろう?
- 「キックオフセミナー」を受講してのマインドの変化は?
- 「基本研修」「実例研修」を受講してのマインドの変化は?
- 今現在のあなたのリーダーとしての「マインドセット」は?
- 研修受講後、あなたの部署で、またはあなたが取り組み始めた事例は?
中間報告会
日時:平成29年12月20日(水)10時~12時 会場:委員会室
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:
WLBC関西 瀧井 智美 / 木村 知佐子 / 澤田 真由美 / 高橋 佳子 / 高橋 紀子 / 西本 恭子
内容
- 市長より「中間報告会に期待すること」
- これまでの研修内容と所感
- 研修を受講してのマインドの変化や現在のマインドセット(5名)
- 研修を受講してから取り組み始めた「働き方改革アクション」事例発表(4名)
8回目 風土改革 ~ファシリテートスキル~
日時:平成29年12月20日(水)13時~15時
講師:WLBC関西 福井 正樹 / 瀧井 智美
サポートスタッフ:WLBC関西 高橋 佳子
会議・ミーティングをファシリテートする
- ファシリテート・・・単なる司会者ではなく、参加者の意見を引き出す
- さまざまな会議の在り方・・・結論を出す会議、意見を引き出す会議
- できる限り参加者の意見を引き出すには・・・通常のスタイルでダメなら「グループワーク」「ワールドカフェ」などの手法を用いることも大切
- 「しゃべらない人」「しゃべりすぎる人」をうまくコントロールする
- やってみよう!ワイガヤ会議実践!
9回目 コミュニケーション ~カバーできる体制づくり~
日時:平成30年1月12日(金) 10時~12時
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 澤田 真由美
- あなたの部署はチームになっているか?
- チームになっていないとしたら何が原因か?
- チーム構築のためにあなたは何をするか?
10 回目 風土改革 ~チームの意識改革推進~
日時:平成30年1月16日(月) 10時~12時
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 木村 知佐子 / 澤田 真由美
自分の風土作りを振り返ってみよう
- 風土が悪いなぁ~、出来ていないなぁ~と思ったこと・・・
- 風土づくりに大切だと思うこと
- 自らの職場(部署)でこれから行う風土づくり実践ポイント
11回目 平成30年度に向けて~全庁展開への仕様書作り~
日時:平成30年2月1日(木) 10時~12時
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 澤田 真由美
研修を受けたリーダーとして
- 働き方改革の必要性と「マインドセット」を全庁的に根付かせるためのアクションを具体的に考える。アクションプラン(仕様書)を策定する。
- 実例研修で受けた「働き方改革スキル」を全庁的に展開していくためのアクションを考える。アクションプラン(仕様書)を策定する。
アクションプランに必要な仕様
- アクションのボリューム(回数・時間・対象人数など)
- アクションの時期(回数を実際の時期にはめ込む)
- アクションのカタチ(講演なのかワークなのか)
- その内容(講演・ワークそれぞれの)
12回目 平成30年度に向けて ~部門を超えて必要なことを検討・提言~
日時:平成30年2月1日(木) 10時~12時
講師:WLBC関西 福井 正樹
サポートスタッフ:WLBC関西 瀧井 智美 / 西本 恭子
他課と連携すること、さらに構造的なことで次年度に必要なことをまとめる
- 研修を受けた結果、部門を超えて(全庁的に)抱えている課題をまとめる。
その課題の原因を追究し、課題解決ための方策を考える。 - 課題解決策を全庁的(複数部門)に、着手させ、改善させ根付かせる方法を考える。
- 最終報告では、①②を全庁に向けて発信する。
最終報告会
日時:平成30年3月6日(火) 15:30~17:00
進行:WLBC関西 瀧井 智美
サポートスタッフ:WLBC関西 木村知佐子 / 澤田真由美 / 高橋佳子 / 高橋紀子 / 西本恭子
プログラム
- 市長より挨拶
- これまでの研修内容と所感
- 中間報告からの変化の発表(3名)
- 中間報告からの変化について質疑応答
- 働き方改革アクション実行の成果報告1「会議の短縮実践事例」(2名)
- 働き方改革アクション実行の成果報告2「ワイガヤ会議について」(2名)
- アクションプランへの質疑応答
- 受講者代表「自分の中で変わったこと」発表
- 総評:市長 副市長 教育長
自治体プロジェクトリーダー 兼 四條畷事業全体統括リーダー 福井正樹より
四條畷市働き方改革指導者養成研修全受講者はアセスメントの結果、「働き方改革の最初の階段の最初の一段」を全員が上がった。働き方改革を本気で進めるには、このとても高い最初の一段を上ることがとても大切である。当該事業の成果はこのことを見てもまず第1の大きな成果を挙げたと感じる。
また、受講者それぞれのチェック項目を見ていくと、総じて言えることは「働き方改革意識と共有」の伸びが著しいことである。自らが理解しそれを部下たちに共有していくことができなければ、時間管理・タスクの共有・コミュニケーションなど実務的な改革は進まない。ここに大きく平均的な伸びを見たことが当該事業の最大の成果である。
働き方改革は「実践が全て」ということであろう。知識として、技術として身に付けてもそれを実践しないと、個人にもそして組織にも成果が現れない。四條畷市のリーダーたちは、このマインドもスキルも身につけ、2年目は推進委員会を立ち上げ、さらに全庁展開していく。
自治体の働き方改革において、四條畷のようなモデルが今後全国に展開していければと思う。
自治体職員の働き方見直しのご相談がございましたら、ぜひWLBC関西にお問い合わせください。