東京都千代⽥区⽴麹町中学校視察 [ ⽶沢市中学教頭会様同⾏ ]
日 時:2018年11⽉20⽇(⽕)午後
参 加:⽶沢市中学教頭会 6名
サポート:⽊村知佐⼦
内容
麹町中学校 ⼯藤校⻑先⽣より
1. 麹町中学校の⻑所と特⾊
- ⼦どもが⼤⼈に構えていない、規律は教えていない
- 発達に障害があっても、特性があっても受け⼊れたい
- 学校教育の在り⽅を本質から問い直す=社会につながる能⼒を育てたいと思っている
- 現役アナウンサー、IT 社⻑ 脳科学者など、多様な専⾨家から教育を受ける機会を設けている
2. 部活
企業と連携、サッカー部は中体連を脱退し、FC千代⽥に⼊った。また、⽣徒による購買部運営なども企業からのノウハウを活⽤している。
3. 定期考査・宿題を廃⽌ ⇒ 単元テスト(単元終わるごとにテスト)
- 美術や⾳楽に1をつけたくない、⽣涯の友にしてほしい
- 再テスト制(1 回だけ希望制)2 回⽬の成績が⾃分の成績
- 1 回⽬のテストで間違ったところ、できなかったところを勉強できる
4. 固定担任制の廃⽌
戦略的チーム教育(チーム医療のようなもの) ベストの対応をするためのチーム、外科医と教員はよく似ている 経験が重要、適材適所で対応できる、時差通勤、休暇取得できる。
5. 学校の⽬的を押さえること
⼈が社会の中でよりよく⽣きていける=よりよい社会を作る 学校はなぜ必要︖⼈と⼈の対話、関りのためのコミュニケ―ション活動、経済活動
6. 何を教えて どう教えるか
- 寺⼦屋 = 先⽣は教えない、教材を⾃分で調べた
- 産業⾰命で⼀⻫授業スタイルに変わった
- 社会の営み = ⾃学と学び合い
- ⼤⼈になったときに交渉したり調べたりできる⼒が必要
- 学び合いは主体的、誰のせいでもない、⾃分で学ぶ幸せ
- 現代社会にマッチしたカリキュラムでもある=個別の学び・双⽅向型の学び
7. ⼿段を⽬的化してはダメ
⽬的 ⾃律した⽣徒を育成する
⼿段 ⽬的 基礎学⼒を⾝につけさせる
⼿段 つまずいたところを繰り返させる ⇔ 繰り返せる⼦供に育てる
上の学年に⾏けば⾏くほど⾃分で勉強できなくなる
8. 働き⽅改⾰ ⇔ 家庭学習の時間をのばす
- 短い時間で勉強して成果を上げるべきなのに・・・学び⽅改⾰をすべき
- 宿題は間違ったところや分からないことを勉強すること、たくさん宿題を出すとわからないところを⾶ばす。
- ⼩中⾼⼤と先⽣に⾔われたことをやる⼦は社会に出て通⽤するか?
質疑応答
9. 時間を⽣みだす⼯夫
- 1限 45分授業
- ⽣徒会活動、職員会議、分掌や⽣徒指導の時間を⽣みだす⼯夫
- 部活の朝連を勤務時間内でおこなう
10. 働き⽅⾒直し
- 当初は校⻑発信、3 年間はリスト化した
- ⾃分で改善できると教員が分かると変わっていく
- 鍵を確実に返す⽅法
- 動線を考えた⽂書配布⽤ボックス など教員のアイデアが実現
- 今は年度当初に 4 分掌に分かれ、模造紙にブレストして改⾰すべきことを出し合っている
11. 部活動
- 部活をPTA活動にし、顧問はPTA副会⻑が担っている
- PTAが部活運営に積極的にかかわってくれるようになった
- 部活動は教員がボランティアで⾏っているという事が周知された
12. PTA
学校改⾰は全員を当事者にすること。⽣徒も教員も保護者も麹町中学校での取り組みや思いが詰まった⼯藤先⽣の著書が 2018年12⽉に出版されました。 ぜひ、多くの学校関係者の⽅が⼿に取ってほしいと思っております。

スタッフ感想
⼯藤先⽣が麹町中に赴任した5年前は、「何々してほしい」「これはおかしい、問題だ」と⼈任せ。
職員室での対⽴が起こることが当たり前の⾵⼟として、対話をしていく。そして最上の⽬標、⽬的と⼿段を全員が合意形成することで主体的に学校改善に取り組む学校になったとの⾔葉に、まさにWLBC関⻄の働き⽅コンサルティングと同じ⽅向性であることを実感し⼼強く感じました。(⽊村)