『教えない授業』参観
平成30年4月24日 都立武蔵高校 英語科 山本崇雄先生 訪問
記:澤田真由美・橋本靖子
学校の働き方見直しをするうえで、『いい授業』を問い直すことは避けては通れないと思っています。
「教えない授業」の山本 崇雄先生を訪問させていただきました。
「教える先生」から「教えない先生」への、山本先生ご自身の変化
- 時間をかけて導入を工夫して
- 失敗させないように気を付ける
教えることに熱心だったそうです。けれど、教えるのをやめた時
- 「学びたい・知りたい・発見したい」と子どもが動き出し
- 子どもが教師を超えてくるようになった。
教師主導で面白くするよりも 子どもの表情がはるかにいい という事実に直面した時、「これまで良かれと思ってやっていたことが実は逆だった」と気が付いたとのこと。

授業時間の使い方
山本先生:授業で50分間を自由に子どもたちに使わせたい。
それには、「先生が教えなくてもできるよね」に子どもたちが気づき、マルチタスクとタイムマネジメントができる子を育てることである。
その力が育つと、「これは家でできるから家でやろう」、「協働だから学校でやろう」と子どもが決められるようになる。
これから『教えない授業』をしてみたい人へのアドバイスは?
「少しずつ手放す」「少しずつ授業の枠を壊す」といいとのことで、
そのステップも教えていただきました。
授業の枠を壊し、教えない授業を作るステップ
- 従来の授業をする(子どもは知る)
- アクティビティの種類など、従来の授業の一部を子どもに選ばせる(子どもは選ぶ)
- 学び方を教える(子どもは知る)
- 学び方を選ばせ使わせてみる(子どもは選ぶ)
- 学習範囲や目標と時間を与えて協働させる
(子どもは50分をマルチタスクとタイムマネジメント) - 社会とつなげる(子どもは社会とつながる)
長時間労働について
子どもの育ちをとことん考えたら、教えない授業になった山本先生。
教えない授業だと準備に大きな時間を取られることがないので、教員以外にもうひとつの仕事ができるくらい時間的余裕があるそうです。(やりたいことが多すぎて収まりきらないほどの充実っぷり!)
山本先生曰く、残っている = 働いているではない。
また、社会としての長時間労働に関して思うのは、課題が早く終わった子に教師が「早く終わったらこれやって」と与え続けることが、いつまでも終わらせられない大人を作り出して、ひいては長時間労働社会を作っている、ということでした。
今回山本先生のお話を伺って、「教えない」ことが子どもも教師も幸せにするんだということを改めて感じました。また、「英語は教えるしかない」という人が多い中、それを覆した山本先生のお話に勇気をいただきました。(澤田)
